自分の体験を発信して子どもたちの力になることが「生きる力」

コラム

今回は一般社団法人 全国心臓病の子どもを守る会の機関誌「心臓をまもる」2020年9月号に掲載された、認定特定非営利活動法人ポケットサポートのエバンジェリスト下川 紘生の記事を紹介いたします。

掲載に関して許可いただきました全国心臓病の子どもを守る会の皆様にも感謝を申し上げます。

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心臓病児者とその家族の苦しみをなくすための活動を、会員みんなが力をあわせて行っています。会の運営は、会員一人ひとりの問題をみんなの問題として話しあい、みんなの総意で決め、決めたことはみんなで協力しあいながら実行します。

たくさんの方の協力で勉強も治療も頑張れた小学校生活

私の病名は「左心低形成症候群」です。

生まれてすぐに手術や入退院を繰り返していましたが、小学校低学年の頃には体調も安定し、激しい運動以外は特に制限無く学校生活を送っていました。

しかし、小学4年生の頃に「PLE」を発症して体調が悪化し、酸素をつけて生活する事になりました。その頃から登校日数が減り、勉強に遅れが出てきた私に、少しでも遅れを取り戻せるようにとみんなが体育の授業を受けている時は、保健室や職員室で手の空いている先生が勉強を教えて下さいました。

ここまで手厚くフォローしてくれる学校も少ないのではないかと思いました。私は幸せな小学校生活を送る事ができました。

勉強だけが教育の全てではないと感じた瞬間

中学校へ入学してすぐに「PLE」の治療の為に岡山大学病院に入院しました。

長期治療が見込まれたので、院内学級(病院の中にある学校)に転校しました。

そこで当時岡山大学病院のボランティアとして院内学級に来ていた三好先生に出会いました。学級の友達や三好先生と一緒に勉強したり遊んだりしている時が、入院中の苦しさや辛さを忘れられる唯一の時間であり、院内学級に通うのが私の入院中の楽しみになりました。

私にとっての院内学級は学校生活そのものでした。その中で私は勉強だけが教育の全てではないのだと改めて感じたのでした。

入院中に高校受験も経験し、支援学校に入学しました。その後も入院は続き高1の夏に退院しました。退院後も何度も入退院を繰り返しましたが、入院中や自宅療養中はタブレット端末のビデオ通話を使って、学校の授業をリアルタイムで受けることができました。

遠隔で授業が受けれるとは思ってもみませんでしたし、とても助かりました。

子ども達の力になる事が、今の私の生きる力

高校を卒業後は、お世話になった三好先生が代表を務めている認定NPO法人ポケットサポート(ポケサポ)で働いています。

ポケサポは病気によって長期入院や在宅療養をしている子ども達の学習・復学支援などをしている団体です。私はそこで事務作業や講演会で、自分の経験から得た知識や思いを沢山の人に伝えています。

「あれをしてもらって助かった」とか「こういう風にしてもらいたかった」とか、体験してきたからこそ分かる事を発信して、子ども達の力になる事が今の私の生きる力です。

ポケサポで活動をする中で、昭和大学の副島賢和先生にお会いして講演を聞く機会が何度かありました。先生のお話はとても理解しやすくて、どんどんと引き込まれていきます。そして何よりもグッと、心に響くお話をして下さいます。

先生のお話を聞いて一つ目標ができました。私も副島先生のように心を引きつけられるお話が出来る人になりたい、というのが今の私の目標です。

今後も、今までの経験を生かしてこれまで以上に病気の子ども達の力になれるように頑張っていきたいです。