病気のことを学校の友達にどう伝える?家族で考える伝え方の3つのポイント

コラム

病気のことを学校の友達に伝えることは、子どもたちにとって大きな課題の一つです。どう伝えるかは、病気の状態や友達との関係によっても変わってくるでしょう。

特に、思春期の友達関係は感情が不安定で、他者とのつながりが複雑なものとなりがちなため、自分が病気であることを友達に伝えるべきか迷う場面が増えることが予想されます。

友達に病気のことを伝えられれば、理解とサポートを受けられるかもしれませんが、逆に理解されない場合、孤立感やストレスを感じることもあるでしょう。だからこそ、病気の伝え方は慎重に考える必要があります。

本記事では、病気のことを学校の友達に伝える3つのポイントをご紹介しますので、ぜひご家族の皆さんで検討し、子どもたちが自分の状況に合ったアプローチを見つけるのに役立てください。

小児慢性疾患を抱える子どもたちの現状

小児慢性疾患を抱える子どもたちは、自分の病気のことをどのくらい周囲に伝えることができているのでしょうか。

厚生労働省の調査によると、「小児慢性疾患を抱える子どもたちの疾病についての周知」に関する項目では、学校の先生への周知は多いとのことです。しかし、「仲の良い友達」や「クラスメイト」などへの周知は少ない傾向にあることが分かっています。

小児慢性疾患を抱える子どもたちが自立した生活を送るためには、周囲の人々の理解やサポートが必要不可欠です。理解してもらうためには、まずは病気についての正しい情報を知ってもらう必要があります。

そして、病気に関する情報を相手に伝えるためには、子どもたち自身が病気について理解できていることも重要です。

参考:小児慢性特定疾病児童とその家族の支援ニーズの把握のための実態把握調査の手引き書

子どもたち自身が病気のことを理解する

小児慢性疾患を抱える子どもたちが、自分の病気について理解し周囲に伝えることは、彼らの生活を豊かにし、周囲人々との協力を得るために不可欠です。しかし、病気に関する正しい情報を相手に伝えるためには、まず子どもたち自身が病気について深く理解している必要があります。

子どもたちが自分の病気について理解するためには、家族や医師のサポートが欠かせません。子どもたちが理解できるように、家族や医師が病気の性質や治療方法について説明し、質問に答えていく必要があります。

その後、子どもたち自身が情報を収集し、学べる機会を持てるとなお良いでしょう。また、子ども向けの教育プログラムやサポートグループに参加することも、病気についての理解を深める手段として役立ちます。

子どもたちが病気のことを理解できたら、その知識を周囲に伝える方法を考える必要があります。周囲に伝えるときのポイントは以下の通りです。

家族で一緒に考える時の3つのポイント

自分の病気について学校の友達に伝えるときの3つのポイントは、以下の通りです。

  1. タイミングを見極めて伝える
  2. 正直な言葉で伝えられるようにする
  3. 相手の反応を受け入れる心構えをする

それぞれについて詳しく説明しますので、ご家族で一緒に考えてみてください。

タイミングを見極めて伝える

友達に病気のことを伝える際に大切なのは、タイミングを見極めることです。

中高生になると親同士の関わりが薄れ、子ども自身が病気について話す場面が増えてきます。しかし、どの友達にどの程度まで病気のことを話すべきかは悩ましい問題なのも確かです。

結論から言えば、いつも一緒に過ごす友達には、病気のことを早めに伝えておくのが良いでしょう。たとえば、薬を飲む姿や注射をする姿などを見せる可能性のある友達や、食べられないものやしてはいけないことを事前に知っていてほしい友達などに伝えておくことで、安心して生活できます。

新学期が始まったばかりでお互いの関係性が薄い場合でも、今後関係が深まると感じたら、早めに伝えておくのが良いでしょう。

他にも、部活・学校行事など、配慮があれば積極的に参加できる場合は、チームメイトやクラスメイトなどに違和感を抱かれないよう、事前に伝えておくべき場面もあります。

以上のように、タイミングを見極めて、病気のことを伝えましょう。

正直な言葉で伝えられるようにする

2つ目のポイントは、病気について正直な言葉で伝えられるようにすることです。病気のことを友達に伝える際、「嫌われてしまうかも」「仲間外れにされるかも」と不安に思うかもしれません。しかし、黙っていることで問題が起きる可能性があることも覚えておきましょう。

たとえば、病気のことを打ち明けなかった場合、いざという時に相手を驚かせたり、迷惑をかけたり、関係をこじらせてしまう可能性があります。最初は友達も戸惑い不安を感じるかもしれませんが、時間とともに慣れてくれるでしょう。

一番してはいけないことは、病気についてウソをつくことです。たとえば、薬を飲む場面で「これはビタミン剤だよ」と言ったり、調子が悪いのに「大丈夫」と言ったりするのは避けましょう。ウソをついてしまうと、友達との関係性に亀裂が生まれるだけでなく、命に関わることもあります。

病気を「誰にどの程度話すか」は、事前に家族と相談しておき、伝える相手には正直な言葉で伝えられるようにしておくのが賢明です。無理に全てを話す必要はありません。友達と一緒に過ごす中で、自然と気づくことや、命に関わる重要なことを伝えられるようにしておきましょう。

相手の反応を受け入れる心構えをする

病気のことを友達に伝える際には、相手の反応を受け入れる心構えをしておきましょう。
思春期の子どもたちの友達関係は何かと複雑なものです。そんな中で、「本音を言えない」「うまく打ち明けられない」という悩みを抱えることもあるでしょう。

ときには、病気のことを伝えた途端に、距離を置かれたり、態度が一変したりする友達もいるかもしれません。そのような友達は、病気のことを言っても言わなくても、信頼できる友達ではなかったとも言えます。

どの友達なら信頼して話せるのか、それを見極めるのも今後社会で生きていくうえで大切になるスキルです。逆に言えば、相手との対立や関係トラブルを通して、自己認識を高める絶好のチャンスでもあります。


以上のように、病気のことを友達に伝える際には、信頼できる相手を見極め、相手の反応を受け入れる心構えをしておきましょう。

友達関係で悩んだ時は、必要に応じて、親・教師・スクールカウンセラーなどの助けもかりましょう。友達以外の大人に相談することもおすすめです。たとえば、異性の兄弟姉妹や親戚に話を聞いてもらうことで、新たな視点から問題を解決するアイデアが見つかることもあります。

安心して学校生活を送れるように応援しています

学校の友達に自分の病気のことを伝えることは、簡単なことではありません。伝え方は病気の性質や友達との関係によって変わってきます。特に思春期の友達関係は複雑なため、自分の病気を友達に伝えるべきかどうかを迷うことが増えるでしょう。

紹介した以下3つのポイントを押さえて、病気のことを友達に伝えてみてください。

  1. タイミングを見極める:一緒に過ごすことの多い友達には早めに話そう
  2. 正直な言葉で伝えられるようにする:ウソはつかないようにしよう
  3. 相手の反応を受け入れる心構えを持つ:信頼できる相手を見極めよう

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