病気療養児の支援を始める人たちに望まれること

コラム

病気療養児の支援をしたい。これから活動を始める人たちに望まれること

学習支援以外に望まれるサポート、急がれるサポートや、足りていないサポートはあるか

現在、ポケットサポートが岡山県・岡山市・倉敷市から受託をしている【小児慢性特定疾病児童等自立支援事業(以下:本事業)】があります。

厚生労働省の法定事業である本事業の目的は以下の様になっています。

「事業の目的・内容」
幼少期から慢性的な疾病にかかっているため、学校生活での教育や社会性の涵養(かんよう)に遅れが見られ、自立を阻害されている児童等について、地域による支援の充実により自立促進を図る。

本事業の中でも、必須事業である相談事業から、その他の任意事業まで、国や各都道府県等が行った、小児慢性疾病の子どもたちのニーズ調査から、学習支援以外にも必要な支援事業がわかります。

本事業については、行政からの受託という流れになるため、各行政の担当窓口にお尋ねするところから始めることになります。

そして、これらの元となる活動を始められる際には、支援したいと思われている対象のお子さんたちに対して

・自分が実施するとしたら、どんな事業が適しているか考えてみる

・自分が持っているリソース(資源)から考えてみる

・やりたい事業があるとして、新たなリソース(資源や仲間含む)は必要か

このような観点から考えてみても良いかもしれません。

民間の団体であれば、本事業を受託する以外にも、行政と連携した形を模索しても良いかと思います。実際、行政の立ち上げ支援に携わる中でも、事業の担い手(プレーヤー)不足の課題も出てきています。

相談者の方が、元・院内学級の教員の方ということもありましたので、少し踏み込んで話をしていくと、「学校の先生だったら、どんな団体・組織だったら信頼して連携できるだろうか」「自分が病気療養児の保護者だったとしたら、どんな団体・組織だったら安心して任せられるだろうか」

このような視点を持って考えてみても良いかもしれません。また、地域によっても課題感やニーズに変化はあります。

各都道府県が実施している、本事業の調査報告から探っていくという方法もあります。

最後に、事業を展開していく際の助言としては「仲間づくり」を大切にしてください。

連携する行政をはじめ、今までこの分野で長年頑張られてきた人たち、今まさに同じように課題感を持って取り組もうとされている人、また同じような志を掲げている人たち、助けたい・協力したいと考えている人たちもいると思います。

相談者の方が、院内学級を通して出会った人たちもその仲間の一人かもしれません。「事業展開しようと考えている地域でのニーズの深掘り」「仲間づくり」の視点を持って取り組んでみてください。

参考資料

小児慢性特定疾病情報センター
https://www.shouman.jp/support/patient

小児慢性特定疾病児童等自立支援事業立ち上げ支援 事業報告書
https://www.mhlw.go.jp/content/001085830.pdf

小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の発展に資する研究
https://mhlw-grants.niph.go.jp/project/147115

令和4年度千葉県慢性疾病児童等地域支援協議会
小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の実施状況と課題について
https://www.pref.chiba.lg.jp/shippei/alle-nan/syouman-tiikisienkyougikai/documents/r4-siryou1.pdf

令和4年度 病気療養児に関する実態調査結果(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/content/20231027-mxt_tokubetu02-000032308-1.pdf

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