病気を抱える子どもたちが入院中にできる同世代交流

コラム

ポケットサポートが岡山市から委託を受けて実施している岡山市小児慢性特定疾病児童等相互交流支援業務では、2つの病院に毎週1回ずつ訪問して知育ゲームを使った交流や、宿題などの学習支援、長期療養を経験した支援員とのピアサポート相談を行っています。この週1回の開催日を楽しみにしてくれている子どもたちがいます。今回は支援活動の様子も含めてご紹介したいと思います。

短期入院を繰り返す病気を抱える子どもたち

検査入院や処置のために1~2週間程度の入院をする子どもたちがいます。様々なケースがありますが、主には点滴をする必要があったり、ベッドの上で安静にしていたり、食事制限があったりします。

そんな子どもたちはどんな気持ちだと思いますか?少し想像してみてください。

学校休めてうれしいなぁ!

勉強せずに、ゲームできるから楽しい!

こんな想像をされた方も多いのではないでしょうか。もちろん、子どもたちも最初の2~3日はゲームで遊べる楽しい入院生活を送っていることも多いです。ですが、1週間ほどの入院期間が経ったとき子どもたちの気持ちは変化してきます。

学校の友達は今、何をしているんだろう?

ずっと、ベッドの上にいるのはつまらない。

毎日のように学校の先生がお見舞いに来てくれたり、友達が宿題を持ってきてくれたりすることは滅多にありません。お母さんやお父さんと一緒の病室で2人きりです。

小学校高学年になってくると、付き添いで一緒に宿泊しているお母さんやお父さんに「迷惑をかけたくない。」と、子どもながらに我慢をしていることも多いと言われています。

病気を抱える子どもたちは孤独を感じている

「どうして自分だけが・・・」

子どもたちは言葉や行動ではうまく表現しないかもしれませんが、そんな気持ちを心の中で感じていることを、保護者や医師・看護師、学校の先生には知っておいて欲しいと願っています。

ポケットサポートが週に1回ずつ訪問している病院では、就学前から高校生まで幅広い年齢の子どもたちが様々な病気で入院しています。

短期の入退院を繰り返している子もいれば、退院してすぐに入院になってしまった子、病気が再発して再入院になってしまった子。一人ひとりの子どもたちの事情は異なりますが、みんな一人の「子ども」です。

子どもらしく遊んだり、勉強したり、友達と話をしたりしたいと思っています。

「入院中」という理由で行動や食事の制限などにより、たくさんの我慢をしなければならない。そして、お母さん・お父さん・きょうだいに迷惑をかけたくないと年齢が大きくなるにつれて考えています。本当に純粋な考えや感情を持っている一人の「子ども」なのです。

病気を抱える子ども同士で交流する意義

ある日、小学校低学年の愛ちゃん(仮称)と、小学校高学年の望くん(仮称)が、看護師さんの紹介で初めてポケットサポートの活動日に興味を持ってくれて参加してくれました。

簡単にスタッフと自己紹介をした後に、2時間ほどの活動の中で5つほどの知育ゲーム(ドブル、ナインタイルなど)に挑戦して楽しみました。ゲームに勝つときもあれば負けてしまうこともありますが、保護者の方も含めて楽しく、たくさんの笑顔を見せてくれました。

愛ちゃん
愛ちゃん

次は、違うのしたい!

望くん
望くん

いいよ。次のゲーム選んで!

子ども同士の交流の中には、コミュニケーション交流だけではない「思いやり」を感じる場面があります。年上の望くんは、低学年の愛ちゃんのリクエストに対して優しく受け入れてくれました。

大人からすれば当たり前のことかもしれませんが、入院中でも同世代の子ども同士が遊んだり勉強したりできる環境をつくることには、子どもたちの健全育成の一面もあるのです。

他にも車椅子で移動が難しかったり、カードゲームの手札が取りにくい子には、席を変わってあげたり、補助してあげることで相手の気持ちを想像して思いやる心が育まれると思います。もちろん、私たち支援者であるスタッフが配慮すべきこともありますが、子ども同士で交流することで、お互いの気持ちを理解しあい、地元の学校に戻ってからも様々な思いやりができるきっかけになると感じています。

まとめ

今回は子どもたちの交流活動の様子から感じた「思いやり」と、入院中に抱えている「孤独感」についてご紹介いたしました。

病室で孤独を感じていながらもお母さんには言えなかったりする子どもたちがいます。それがストレスになり、病気が悪化したり、地元の学校に戻ることを不安に感じる子どももいます。

私たちポケットサポートが行っている活動は、週に1回で月に4回しかありませんが、その時に出会った子どもたちが少しでも病気のことを忘れて知育ゲームで、同じように入院している同世代と交流出来たり、宿題で分からないことを解決出来たり、退院した後の不安を相談できる空間だと思います。

子どもたちが少しでも病気のことを忘れて笑顔になることでストレスを発散して、治療へも前向きに取り組んでくれる。そして、来週のポケットサポートの活動日を楽しみにしてくれることを目標にして、今後も活動を続けていきたいと思います。

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