「ひとりじゃない」と思えた院内学級の存在

コラム

現在は新型コロナウイルス感染症により感染症対策が強化され、家族と面会できず、寂しい思いをして入院している子どもたちもいます。また、付き添いのいない子どもたちは入院生活の大半をひとりで過ごしていることが多く、日常的な会話も医師や看護師といった医療従事者がほとんどです。

中学時代に長期入院を経験しているB君は、病室で一人でいることに対する孤独を感じていました。話し相手になってくれるような友達はおらず、薬の副作用や検査の日々で日頃から苦痛や寂しさなどの気持ちでいっぱいでした。

でも、両親や周りの人に心配や迷惑をかけたくないと、表情には出さず平気なふりをして過ごしていました。

なんで自分だけ学校行けれないのだろう

いつまで入院していればいいんだろう

本当によくなるのかなぁ

退院できなかったらどうしよう

自分はずっとひとりぼっちなんだろうか

「学校の友達に会いたい」と、入院中はいつも思っていました。自分の気持ちを表には出さず我慢してる子は少なくないと思います。B君は病室にいるだけでは気持ちを表現する場所がなく、孤独に対するストレスが溜まっていきます。

入院してから一か月が経つ頃、B君は院内学級へ通うことになりました。それまでは病室でひとりだったこともあり、院内学級で同年代の子たちと関われることがとても楽しみになりました。

院内学級では同年代の子たちと好きなもの話、趣味の話、勉強の話、お互いの病気の話など、B君は毎日夢中で談笑していました。一緒に授業を受けてゲームをして、入院中ではありましたが院内学級のおかげで充実していきました。

B君は手術の日が近づくにつれ検査や治療が増えていきました。院内学級にもあまり通えなくなり、友達と話すことが少なくなったことで手術に対して不安や怖さでいっぱいでした。

手術前最後の登校日、B君は友達に自分の気持ちを話しました。

すると、「不安なのも怖いのもわかる。でも俺はここ(院内学級)で待ってるから頑張ってこい」と勇気づけてくれました。その言葉で手術に対する不安な気持ちは無くなり、手術に臨むことができました。

手術後、最初の登校日に友達が「おかえり」と言ってくれたことはB君にとって大切な思い出になっています。

B君のように病気を抱える子どもたちにとって院内学級は「ひとりじゃないと思わせてくれる場所」、「友達と自分をつなげてくれる場所」、「弱音を吐ける場所」なのです。

そして「自分はひとりじゃない、入院していても友達と繋がっている」と感じることができ、友達との出会いや勇気づけてくれるパワースポットになっています。