卒業式や入学式のオンライン中継で注意したいポイント【2022年版】

お役立ち

3月になると卒業式、4月には進学先の学校での入学式と、子どもたちにとっても友達との別れや新しい出会いなど、環境が大きく変わるタイミングですね。過去の記事では学校行事をオンラインで中継するために必要な機材についてご紹介しました。想像以上に、たくさんの皆さんにご覧いただき、学校現場での実践につながるきっかけとなり嬉しく思っています。

昨年度末にポケットサポートでも岡山県内の高校と中学校の卒業式を中継したいというご相談があり、学校現場での機材セッティングや、児童生徒が入院している病室との通信テストなどをサポートさせていただきました。

今回のブログ記事では機材を準備して、実際に卒業式や入学式に子どもたちがオンライン中継で参加してもらう際に、事前確認しておいたほうが良いこと、注意しておくべきポイントを紹介したいと思います。

学校のタブレット端末で動作するかを事前確認する

GIGAスクール構想により、ほぼすべての学校でchromebookやiPadなどの端末が配布され、各教室にもプロジェクターや無線LANが導入されていると思います。導入されている端末がwindowsのタブレットPCやノートパソコン、GoogleのChromebook、AppleのiPadなどの物理的な違いはもちろん、テレビ会議システムもZOOM、GoogleMeet、FaceTimeと、地域や学校によって様々だと思います。

また、学校現場では既に遠隔授業などの取り組みが進んでいるところもありますが、学校行事の中継という部分では初めての取り組みとなっている学校も多いのではないかと思います。

まずは各学校で導入・配布されている端末で、外付けのWEBカメラやスピーカーフォン、ビデオキャプチャーデバイスを接続できるかどうか確認する必要があります。

特に外付けのWebカメラの場合には、接続端子がUSB端子で接続はできるものの、ZoomやGooglemeetのソフト側で認識されず、映像が表示されないという事例や、カメラは表示されたもののマイクが動作しないという事例も見られますので、学校にある端末で正常に動作する機材を揃えることから準備を進めてください。

『教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン』(平成29年策定)をクラウド by デフォルトの原則を踏まえて令和元年12月に改訂

学校内のネットワーク回線の速度やセキュリティを確認する

安定したネットワークの通信速度を確保する

一般的にZoomでの高品質ビデオによる1対1のウェブ会議では、上り/下り共に最低0.6Mbps以上の速度が安定して出ていることが必要です。

また、複数人同時でのグループ会議の場合は、【スマートフォン】上り0.6Mbps以上、下り1.2Mbps以上が必要となり、【パソコン】上り0.8Mbps以上、下り1Mbps以上の速度が安定して出ていることが推奨されています。

さらに、無線LANでの接続の場合は電波干渉などの影響もあり通信速度が不安定になることが多いため、できる限り有線LANケーブルでの接続をおすすめします。

下記のホームページを開くをダウンロード(下り)速度を計測することができます。アップロード(上り)速度を確認するには、ダウンロード速度の計測が確定してから表示される「詳細を表示」ボタンをクリックするとアップロード速度も表示されます。

インターネット回線の速度テスト
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校内ネットワークセキュリティに支障ないことを確認する

普段のオンライン授業等で活用されているテレビ会議システム(ZoomやGoogleMeet)であれば問題ないと思いますが、映像を受信する病室の端末や自宅のアカウントでも正常に映像と音声が同時双方向でやり取りができるかを確認する必要があります。

それぞれの自治体や教育委員会のネットワークポリシーやセキュリティ対策ソフトによって、外部からの通信を禁止している場合や、Bluetoothでワイヤレス接続できるスピーカーフォンを禁止している場合もありますので、ぶっつけ本番ではなく事前の動作確認や通信テストが重要になってきます。

マイクの音質・カメラの画質を事前確認する

外付けのWEBカメラやスピーカーフォンを使わずに、iPadやchromebook端末に内蔵されているカメラとマイクを使うことを検討されている方も多いと思います。

特にChromebookを導入されている場合に注意していただきたいのは、端末自体のコストパフォーマンスの良さからカメラの画質や、マイクの音質、スピーカー音量が必要最低限になっている点です。

外付けWEBカメラやスピーカーフォンと比較して実感していただくことが一番だと思いますが、学校行事のように広い範囲を高画質で撮影したい場合や、教室全体の声を届けたい場合、オンラインで参加している子どもの声を教室の全員に届けるためには、コスト(お金)がかかりますが外付けWEBカメラやスピーカーフォンの導入をおすすめします。

前日までに通信テストを実施して最終確認する

ここまでタブレット端末に接続して正常に動作する「外付けWEBカメラ」や「スピーカーフォン」の選定、テレビ会議システムや校内ネットワーク速度の確認、映像や音声の品質を確保することなど、卒業式や入学式などの学校行事をオンライン中継で参加してもらう際に注意するべきポイントをお伝えしてきました。

コロナ禍という状況や、子どもたちの病状の変化などにより急遽オンラインでの実施が決まるケースも多いと思います。また、学校現場の先生方や医療機関の医師や看護師のご協力がなくては、病室と学校を同時双方向でつなぐことはできません。

子どもたちにとって一生に一度しかない中学校や高校の卒業式にオンラインでも参加できること、そのものが人生において思い出の1ページに刻まれると同時に、治療にも将来にも前向きに取り組む原動力になると感じています。

突然のことで準備が間に合わないことも多いと思いますが、できる限りのことを前日まで行い、通信テストをすることができれば卒業式当日は安心して参加することができます。

ポケットサポートでは岡山県教育委員会や岡山市保健所、各地域の支援団体とも連携しながらオンライン授業のサポートなども行っていますので、お困りのことがありましたらお気軽にお問い合わせください。

最後までご覧いただきありがとうございました。卒業生のみなさん、おめでとうございます!

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